音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

ロンドン、ミラノ、ロンドン

火曜日からロンドンに飛び立ち、イタリアに来ている。

ミラノに向かう道路は霧が立ち込めていて、須賀敦子さんのエッセイの世界が、まさに眼前にある。こんな世界を眺めるのは初めてで、それに近いものがあったとすれば若い頃の夏の早朝、箱根の十国峠をドライブしていたとき位だろう。

しかしそれよりも今日遭遇しているものはずっと濃くて深く、前を走っている車のテールランプかようやく見えるくらいだ。そんななかでも皆、平然として車を操っているのはそれがヨオロッパだからに他ならない。

パルマを横に過ぎて、地図をみると正にこの路の直ぐ脇にクレモナが有ると分かる。ああそこに育っているスプルースやメイプルの樹から造られると、楽器は信じられないほどの生気が吹き込まれるという場所だったなあ。ああ今、ポー川というところを横切った、それだけで詩が生まれてくるよう。

もう夕方に近いので、ほんとうであれば吉田健一のようにゆったりと、時間のたゆたうその具合を楽しみたい。街角のバアに入ってシェリー酒を味わったりスコッチウイスキーを少しずつなめたり、パブで知らない人たちと気儘な話をしながらビイルを煽ったりしたい。

そうは問屋がおろさない身上ゆえ、それほど遠くはない将来に再びこの地を訪れて、そんな時間を持ちたいと心底から思う。

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by k_hankichi | 2015-12-03 00:10 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)
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Commented by およう at 2015-12-03 11:29 x
まー、イタリアまで行らしてるのですね。まさに『ミラノ 霧の風景』ですね。心情が伝わってまいります。お気をつけて・・・。
Commented by k_hankichi at 2015-12-04 02:10
はい、ようやっと『ミラノ霧の風景』のことが、体感できました。晩秋から冬に、こうなるのだとわかりました。