音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

遠い世界からの繋がっている心

出張から帰国した夜、しらない電話番号が鳴る。思わず手に取ると遠くかすかに掠れてくるような女性だった。

「アナタハ、xxxxサンデスカ? ワタシノコトヲ、オボエテイマスカ?」

と言っているように思えた。なになに?と、身に覚えがないので思わず尋ね返すと、それは英語だった。いまでもその人の名前をはっきりと覚えている。

「アナタハ、xxxxサンデスカ? アナタノ、ワスレモノガ、トドイテイマス、コチラハ、ホンコンデス。」

「ああ、僕は確かにそれを探していた、どこに居るの、あなたは?」

「ワタシ、ホンコンクウコウ、ワスレモノ、カカリ。アナタハ、ドコニ、イマスカ?」

「もう日本に帰ってきました。忘れ物は、〇〇〇ですよね? 座席に忘れたのだと思う。」

「ソノ、モノノ、メイガラハ、△△△デスカ?」

「△△△、うんそうそう、それは僕のものだ。中に、□□□が入っているでしょ。」

「ナカミマデハ、ワカラナイ、シカシ、コレ、アナタノモノ、タシカネ? フライトバンゴウ、ザセキバンゴウ、モイチド、シラセテクダサイ。」

「■■■発、香港行き、◇◇G」

「ソウネ、アナタ、タダシイネ」

「いつ、それを受け取れるの?東京の空港のあなたのオフィスに届くの?それとも・・・。そちらには行けないよ。」

「ツギノ、デンワバンゴウニ、カケテクダサイ。ソシタラ、ニホンノ、カカリインガ、タイオウスル」

まるで呪文のようなやり取りが続き、しばらくしてそれは事切れた。遠い土地の知らない人から電話を直に受けて話すようなことは久しぶりだ。このところずっと、知っている相手に、計画した内容をしゃべるのが常だった。

親切な人たちによる親切な配慮は、忘れ物として明日自分の家に宅急便で届く。

「君も見ているだろう
この消えそうな三日月
つながっているからねって
愛しているからねって」

そう聞こえた気がする。大陸の人を信じたくなった。

・・・セカイハ、ツナガッテルネ。アナタハ、ヒトリデナインダヨ。

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by k_hankichi | 2015-11-05 00:10 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)
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Commented by およう at 2015-11-05 21:25 x
流石ハイの世界ですね^^ 素晴らしい。
こちらの仏像、何で出来ているのでしょう・・・。
Commented by k_hankichi at 2015-11-05 22:20
おようさん、ハイ。
仏像は、ツナ缶詰めからできています。積み重ねられている。写真を拡大してみると雰囲気が分かるかもしれません。