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by はんきち

『きみのためのバラ』の世界

山崎努の書評集を読みながら、おもわず買い求めていたなかの一冊。『きみのためのバラ』(池澤夏樹、新潮文庫)。

驚いたのは、「連夜」という短篇だった。

そういうことがあるのか・・・?というようなストーリーなのだけれど、読み終えて思い出してみると、友人のなかの或る一人の身の上に起きた事柄と、どうも似ているような気がしてならない。

琉球の遥か昔の伝説の世界から言い伝えられてきた、男と女の深い深い情愛の末の世界。それは宿命のような伝承ともいえる。

それにしても、池澤さんといえば、われわれの世代が尊敬する福永武彦の長男であり、芥川賞も得ており、河出書房新社の『世界文学全集』の編者であり、理工学部でも勉学を修め、ギリシアの映画監督テオ・アンゲロプロスの作品の字幕を担当し、ロレンス・ダレルに親しみ、帯広に生まれ、東京に住み、結婚してギリシアに住み、沖縄やフランスのフォンテヌブローに住み、そして札幌に移住した人である。

どの作品の奥にも、追憶と、風景と、人と、情愛が潜んでいた。

きみのためのバラ (新潮文庫)

池澤 夏樹 / 新潮社

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by k_hankichi | 2015-09-01 06:11 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by およう at 2015-09-01 13:05 x
この方も凄いですねー^^
Commented by k_hankichi at 2015-09-01 19:55
おようさん、はい、小説家としても、人間としても。