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by はんきち

『柔らかな犀の角』の柔らかさ

若いころ、東京タワーの下のボウリングセンターに行った帰りに車ですれ違ったのが、確かにこの本の著者だった、と今でも信じている。その時の格好よさといったらなかった。ボルサリーノ帽を斜めにかぶりながら、実に渋い顔つきで運転していた。

その本のことは友人からずいぶん前に聞いて知っていたのだけれど、買い求めることをしていなかった。先週末に立ち寄った古書店の棚で見つけて買い求め、読み始めたら止まらなくなり、みちのくへの道すがらで読了。

『柔らかな犀の角』(山崎努、文春文庫)。

読書量にまず驚いた。そして次に、冴えわたった視点に震えた。俳優業をやっている傍らで、こんなに読み込み、直感的でかつ直截的なる書評を重ねていたとは。嫌味がなく、実に素直な姿勢だ。かといって愚直というわけではなくて、彼自身の人生観にもとづく独自のスタンスでそれぞれの物語を見通している。

読み進めていくだけで、山崎さんが良しとするする本を読みたくて仕方がなくなる。読みながら、ページを繰ることを止めて、ついつい発注をしてしまう。これは麻薬だ。

書評の神様。これからは、そう呼ぼうと思った。

柔らかな犀の角 (文春文庫)

山崎 努 / 文藝春秋

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by k_hankichi | 2015-08-28 07:06 | | Trackback | Comments(3)
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Commented by maru33340 at 2015-08-28 07:54
そう、この人は苦虫を噛み潰したような顔をした書評の神様なんだなあ。
Commented by およう at 2015-08-28 14:55 x
数年前に観た映画の顔を思い出しました。読んでみます^^
Commented by k_hankichi at 2015-08-28 22:00
maruさん、まさしく。
おようさん、お薦めです。