『青柳いづみこのMERDE!日記』の仔細さ

『青柳いづみこのMERDE!日記』(東京創元社)は実に長い日記エッセイだった。2001年から2009年までホームページに掲載されたものからの抜粋。

音楽もピアノ曲のことだけでなく、作曲家への想い、そして学んだり教えた際の記憶、そして小説家、画家などとの交遊もあって、面白かった。

“芸術を論じることのむずかしさも話題に出た。
「人間という生き物は、どうしても生の魚では満足できなくて料理したがる。まだ焼き魚や煮魚ならいいが、あんまり学がすすむと、干物になったり缶詰になったりする」”

吉田秀和と話をした際のことだという。

それにしても、ピアニストをやるだけでも大変なのに、多彩な評論の執筆や取材活動。それに加えての執念を感じるほどの仔細なる日記。さすが祖父・青柳瑞穂の系譜を引くだけのことがあるなあと畏れ入った。

青柳いづみこのMERDE! 日記

青柳 いづみこ / 東京創元社

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Commented by maru33340 at 2015-07-20 05:54
読みたいと思いつつ、まだ読めてなかった一冊。
引用文読んで読みたくなったよ。
Commented by k_hankichi at 2015-07-20 09:35
maruさん、膨大な分量ですが、なるほどなるほど、と思うこといくつかです。あまり記憶には留まらないものの。
Commented by sara at 2015-07-21 00:37 x
チャイコフスキーコンクール(ピアノ部門ですが)についてかなり詳しく論じていらっしゃいました。私は人づてに聞き、初めてこの方を知りました。結局のところ、人の感じ方はそれぞれで、もっと言えばコンクールってのはなんぞや??という疑問が渦巻き中。芸術を論ずることを生業とする方、いやはや凄いなと思います。結局、人は自分の想いのたけを聞いて欲しいのかも。(私も含め)
Commented by k_hankichi at 2015-07-21 07:07
saraさん、芸術とは「表現」の世界・・・。人は自分の想いのたけを聞いて欲しいのかも、ということ、そうなのかもなあ、、、と思いました。チャイコフスキーコンクールを語ったこと、読みたいです。
Commented by sara at 2015-07-21 07:52 x
今回初めてライブ中継があったので、起きている時間は出来るだけ聴いていたのです。ほとんどが初々しい若者、プロより上手い方もいるけど、皆様必死。アスリートと同様、純真にそれのみに青春を捧げてきたんでしょう。そしてふるい落とされ、意見が割れ、審査員、聴衆があれこれ語り、聴衆による人気が瞬時に発表され、グラフになる。厳しい世界だなと思いました。それも含めて試されてるんでしょう。肩書きがなくても幸福に音楽をやっていけるよう、小さな地元のコンサートに足を運びたいと思いました。FBに書いていらっしゃるようですよ。
Commented by k_hankichi at 2015-07-21 22:28
saraさん、そうなのですね。幸福な音楽の時間。必死だけれども、そこに真実がある。真実がある人が評価される。
by k_hankichi | 2015-07-20 00:19 | | Trackback | Comments(6)

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