『解錠師』(スティーヴ・ハミルトン)・・・ミシガンに育んだ男の矜持と恋

『解錠師』(スティーヴ・ハミルトン、ハヤカワ文庫)は、ある事故をきっかけに周囲に対して心を閉ざした男が、美しい少女・アメリアと出会い憧れ恋に落ちることで、鍵師としての腕を磨かざるを得なくなったジレンマが見事だった。

鍵師マイクルは、依頼主に対して絶対服従を課せられている。どうしてそのようになったのか。次第次第にそれは明らかになっていく。一つ一つ箱を開けていくかのようなこの小説の作法そのものが、まさに鍵を開けていくような感覚に似ている。

鍵師が最後にこじあけたものは、何だったのか?小説のクライマックスは、まるで映画を観ているかのようだった。

ミステリーなので、ストーリーをこれ以上は紹介しないが、ミシガン州、デトロイトやアナーバーという大学町が大きな舞台。そのあたりの街のにおいや雰囲気が、零れ落ちるかのように描かれている。

僕の学生時代の友人のひとりが、その周りで会社を興して日本には帰らないという。その彼にも紹介したいなあと思った。
  

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーヴ・ハミルトン / 早川書房

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Commented by maru33340 at 2015-07-14 08:41
この小説、買ったまま積ん読になってたなあ。
Commented by k_hankichi at 2015-07-14 19:44
読み終えて、思い返していると、じわじわと沸いてくるものがある作品です。
by k_hankichi | 2015-07-14 00:17 | | Trackback | Comments(2)

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