先週末の「東京国際ブックフェア」で買い求めたうちの一枚は、マーラーが編曲したベートーヴェンとシューベルトの弦楽四重奏曲だったが、特に『死と乙女』が気に入った。
この曲の原曲は、いつもおっかなくて怖がり遠ざけたくなるほどだったから、オーケストラ版を初めて聴いて、死ということよりも、荘厳さと、生きようとする理念に満ち溢れていることを感じた。このような構築性のある曲だったのか、と今更ながらに驚く。
カップリングはベートーヴェンの『セリオーソ』で、こちらもまた味わいのある雰囲気に編曲されている。
演奏をしているオーケストラは、1969年にベルリン国立歌劇場管弦楽団のメンバーを中心に設立されたという。モーツアルト以前の曲を多く取り上げてきたようだが、このロマン派の演奏もなかなかだった。
エゴン・シーレの絵が映えていた。
■曲目
1. ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」(編曲:マーラー)
2. シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」(編曲:マーラー)
■演奏:指揮 ハルトムット・ヘンヒェン、カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ室内管弦楽団
■収録:Jesus-Christus-Kirche, Berlin-Dahlem, 1992年4月、6月
■音盤:Berlin Classics 0013232BC