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by はんきち

自分に素直になるということとは、どういうことなのか

友人から薦められた『永い言い訳』(西川美和、文藝春秋)を読了した。主人公の作家の男は、周囲に対して自分の心をまっすぐに開けない人間だった。妻に対してであろうとも。

男は、自分自身の真の姿を客観的に見据えていると考え、分析的に何もかも把握している、と思っている。しかし、それでいて、身の回りに起きている哀しい事象に対して妙に冴えてしまっている。普通の人であれば泣き崩れるようなことに対しても、客観的に眺めている。

そんな彼は、ひょんなことから、これまで経験したことの無かったような物事をやらざる得なくなる。そういうことを積み重ねていくうちに、まったく異なる世界が有ること、そして、そこから見える自分と言うものが何かということにも気づいていく。

自分に本当に素直になれたとき、彼は初めて涙を見せることができた。僕も彼の気持ちを分かり、そこに沿うことができた。

しかし、僕自身については、本当の姿が、まだ見えない。

永い言い訳

西川 美和 / 文藝春秋

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by k_hankichi | 2015-05-29 00:24 | | Trackback | Comments(3)
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Commented by およう at 2015-05-29 06:58 x
読みたいのですがまだ(>-<)
自分との戦いですよね、いつも・・・。
Commented by k_hankichi at 2015-05-29 07:05
おようさん、この人は映画監督であると同時に凄い小説家なんだと知り、本当に頭が下がりました。
Commented by maru33340 at 2015-05-29 21:33
この人は本物、だと思う。