「ガム変質事件」の真相

件の『大映テレビの研究』(竹内義和)を読んで、むかし抱えていた謎が、いとも簡単に解けた。あれ、これって何か変だよなあ・・・、とドラマを観ながら思い、弟だけとは顔を見合わせて頭を傾げ、しかしそれより先には聞くに聞けなかったあの瞬間のことを、思い出したのだった。

昭和41年の初頭。日本初のカラー特撮ドラマ『マグマ大使』(ウルトラマンはこれに1週間遅れて始まったそう)の宇宙の帝王ゴアは、それはそれはおっそろしい顔をしていて、毎週、弟は今にも泣きだしそうになっていたが、そのことではなくて、ロケット人間のことである。

ロケット人間とは、アースが生んだ、ロケット能力を持った正義の味方である。ゴアは、毎週、地球に対して怪獣を差し向けるが、江木俊夫が演じるマモル少年が笛を吹くと、ロケット人間の一人であるマグマ大使が飛んできて、怪物たちを毎週やっつける。

ロケット人間には、このほかにモル、ガムという二人が居る。ここで謎だったのがガムのこと。ガムは一番小さくて、マモル少年といつも仲良く遊ぶような、かわいいやつだった。

この本には次のように書いてあった。
“ガム役のタレントは、当時、お稚児さんみたいに可愛かった二宮秀樹。”ガム変質事件”とは、そのガム役の子役がいつの間にか変身してしまった事件の事である。あんなに可愛かったはずのガムが、ある日突然、めちゃくちゃへんな顔の奴に変身していたのである。(この役者は吉田次昭といって、後に高沢順子のダンナさんになった)。背も異様に高くなってるし、顔もどうしようもないくらい変化しているし、声なんかも大人みたいにブッとくなっているのに誰もそれに気がつかないのだ。(中略)マモル青年までが、「やあ、ガム」っていう感じで、今まで通りのガムとして接しているのには、正直いってビックリしてしまった。”何いうてんのや、それ、ガムとちゃうやんか”と、子供心にも、思わずブラウン管に向かってツッコミを入れていた僕だったのだ。”

僕が抱えていた謎については、このようにして晴れた。

しかしこの本の中ではまだ続く。このような、目の前でおかしな物事が起きているのにも関わらず、出演者は誰もが見て見ぬふりをする、そしてそのまま会話が展開していく、というのが大映テレビドラマの基本パターンであるということなのだ。

そして改めて思った。

なるほど、これに倣っているのか。現代の政治というものは。見ている側の皆がおかしいなと思っていても、そんなことは無かったかのように、筋書きを進めていく展開力。そして演技力のある俳優たち。
  
■ガムの歌 →https://youtu.be/_6i9MQ62nJE
■「マグマ大使」 →https://youtu.be/wzHCsGcZqGI
  
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Commented by maru33340 at 2015-05-23 06:41
そういえば僕は子どもの頃、学校で名前をもじってマモル少年と言われてた。
Commented by k_hankichi at 2015-05-23 10:00
マモル少年!君もいまやお父様(岡田眞澄)の風貌なりや。
君が一度笛を吹けばモルが、二度吹けばガムが、三度吹けばマグマ大使が、駆けつけよう。四度吹けば、ハンキチ特使じゃ。
Commented by およう at 2015-05-23 17:10 x
4度吹けばでんぐり返りのオヨウ塔上!
Commented by およう at 2015-05-23 17:11 x
あ、間違えました!五度目の笛でした。お粗末・・・
Commented by k_hankichi at 2015-05-23 17:23
おようさん、良いですねえ!
マモル少年、試してくだされ、笛五回。
Commented by maru33340 at 2015-05-23 17:59
5回も吹いたら息切れするわい(>_<)
(マモル中年)
by k_hankichi | 2015-05-23 00:15 | テレビ番組 | Trackback | Comments(6)

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