『まぐだら屋のマリア』(原田マハ)・・・逃避と再生の物語

グルメ小説はたくさんあるが、そこにはレシピであるとか食材であるとか、味の表現であるとかが展開されていて、どことなく付いていけない。これは調理への才能が無いということに繋がっているからゆえなのだと思う。

そんななか、料理人の、料理の周辺の生き様を描いた(とはいっても料理することとは離れないのだが)小説を読んだ。『まぐだら屋のマリア』(原田マハ、幻冬舎文庫)。

ちょうど『天皇の料理番』というドラマをテレビで楽しんでいた時期なので、料理長の下での修行生活のことなどは少し共通項があった。→http://www.tbs.co.jp/tenno_no_ryoriban/

神楽坂の料亭で働いていた男・紫紋(しもん)。しかし彼は、とある(とは言っても重大な)事件のあと、そこから逃避すべく最果ての地、まさに『尽果(つきはて)』という場所の海辺に降り立つ。そこには、マリアという女が営んでいる料理屋があった。

マリアは、高校時代の担任、与羽(よはね)と関係を結び、そして曲折を経てその土地に溶け込んでいた。紫紋はマリアを手伝いながら、その地の人々に喜ばれる料理を出し始める。最果ての地、尽果に生きる人たちの幸せ。

そんな地に、若い男・丸弧(まるこ)が流れ着く。彼らには、この先どのような生き様が待っているのか。

いつも偏狭の地に生きる人たちの生きざまを描く原田マハの、ちょっと新しい境地に思った。

まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫)

原田 マハ / 幻冬舎

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Commented by およう at 2015-05-13 10:07 x
『天皇の料理番』観ています^^ 先日観れなかったのでUp有り難うございます^^ 原田さんの本も読みまーす(^_^)v
Commented by k_hankichi at 2015-05-13 23:10
おようさん、はい、なにか通じるところがあります。
by k_hankichi | 2015-05-13 06:49 | | Trackback | Comments(2)

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