曇天の下、インドに向かう

車窓には曇天。僅かに明るい雲間の裏に陽が隠れているとは思えないほど、なにか物哀しい風情だ。

聴いている音楽が更に拍車を掛けている。セルゲイ・ハチャトリアンによる バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータだ。

追い討ちを掛けるのは、ミルトンの『失楽園』が題材になっている海外小説。その主人公のメランコリアな心情に僕自身の姿を重ねて読み進めている。

アルプレヒト・デューラーの版画『メランコリア』のことが頭に浮かび、浮かんだかと思えば自分がその絵のなかに居るかのように思えてくる。別の版画にある騎士とその影にいる悪魔の姿がその想像に重なり、どちらがどちらの絵なのか分からなくなる。

しかしこれから行く先は、そんなメランコリアな冬が似合う大地ではなく、ヒンドゥーの聖なる南の大地。『人間は「質」ではなくて「量」で存在するところのよう』という友人の言葉がそこに重なる。

そうなったらこのメランコリアが失せてしまう。大切にこのままにしたい。だから僕は再びバッハのなかに身と心を沁み入らせる。
  
■夜のムンバイに到着
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Commented by およう at 2014-11-29 12:41 x
今回はインド・・・、呉々もお気をつけになってお過ごしくださいますよう(*_*)気候の変化にも。
Commented by maru33340 at 2014-11-29 18:42
インドへの旅、気をつけられたし。
僕は父方の叔父が急逝し大阪に向かっています。
Commented by k_hankichi at 2014-11-30 01:16
おようさん、maruさん、到着しました。夜の8時でも気温33℃でした。はい、留意します。
maruさん、そうなのですね・・。
by k_hankichi | 2014-11-29 09:55 | 街角・風物 | Trackback | Comments(3)

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