大道芸を避けてしまうのは何故なのか

休日に、上野の公園を歩いていると、大道芸人があちこちで演技をしている。ステッキを駆使した芸人、パントマイム芸人、紙人形を地面で浮かせて踊らせる芸人。

しばし見つめていると、芸人と視線があってしまう。手招きされて、しだいしだいにそれを囲む主たる観客の一員になりつつある。

その瞬間、ハッと我に返る。いけない、ここに入り込みすぎてはいけない。そう呼ぶ声が自分の心の奥底から聞こえる。

大道芸人は、そんなしぐさをする僕をさみしそうに見つめる。ちっちっちっ、と人指し指を左右に揺らして、僕が離れようとすることを止めとする。

僕は、後ろ髪をひかれながらも、目線を再度合わせないようにし、後頭部に視線を感じながらもずんずんと離れていく。

芸を注視し喝采する皆をあとにして、僕はさみしく遠ざかる。

なぜなのだ。どうしてなのか。僕は、大道芸人を避ける。

ルオーの絵のなかのピエロのような面持ちで、寒い秋風を受けて思わず襟を立てながらも、僕は彼らを遠ざける。

理由は分からない。けれども頭のなかに鳴り響く。危険なのだという警鐘が鳴り響く。
 
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by k_hankichi | 2014-11-10 06:36 | 街角・風物 | Trackback | Comments(3)
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Commented by maru33340 at 2014-11-10 09:38
それは君、なんだな、中也シンドロームと言って、サーカスにたいする潜在的な憧れと恐れが生むものだな。
ゆやーん、ゆよーん、ゆやゆよーん。
Commented by およう at 2014-11-10 11:43 x
凄い課題を提供されたような気持になってずーっと考えておりました。今maru殿のコメントを拝見してな~るほど、的を得ていますねー。その現場の雰囲気とぴったり・・。
自分に引き付けてみますと、はんきちさんと同じようになることもあるし、目があってしまった照れみたいな瞬間の恐れみたいなその時の感性によって・・ゆゆよ~ん(^_^;)
Commented by k_hankichi at 2014-11-10 21:31
maruさん、僕はきっとすぐにあちらの世界に取り込まれて、還ってこられなくなるのだから、それを予感しているからこそ、離れたくなるのだと思うのです。

おようさん、あちらの世界にはいかないでください。


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