エレーヌ・グリモーによるバラード:ベルクのピアノソナタ
エレーヌ・グリモーによるピアノ曲集(レゾナンス; Resonnance)を聴いている。その構成は少し凝っていて、次のようである。
■モーツァルト ソナタ・第8番イ短調K310
■ベルク ソナタ・作品1
■リスト ソナタ・ロ短調S178
■バルトーク ルーマニア民俗族舞曲BB68
モーツァルトは、これまで聴いたどの演奏よりも、しっとりとしていて、そのテンポも自由自在。こんなに形式ばらずに弾いて良かったんだね、と深いため息をつく。
そして珠玉はベルクのソナタだ。これまで聴いてきたのはグレン・グールドによるもの。おっかなくて夜に聴いたら妖怪変幻の世界に入り込むような趣だったから、好んでは聴けなかった。
ところがどうだ。グリモーはこの曲をバラードに変えた。叙情が迸り、おや、こりゃ、ベルクじゃなくて和賀英良の曲か?と思うほど。
ベルクの曲がこんなに素晴らしいと、もっと早くから知っていたら、と、時間というものが少し恨めしくなった。
■録音:2010.9、Rundfunk-Zfentrum、ベルリン
■音盤:グラモフォン-デッカB0015154-02
■エレーヌ・グリモーによるベルク・ピアノソナタ →
http://youtu.be/3InKmrbXm_Y
■音盤『レゾナンス』→
http://youtu.be/wGP9qg1XqOE