音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

陽のみちのくと陰の相模

みちのくは朝から曇り空ながら、時おり陽の光も射していた。暑いくらいである。ターナーの絵のような雲がぽつんぽつんと浮かんでいて、それぞれが次々に北のほうに流れてゆく。

濃い灰色のものが流れてくると霧雨になり、それはミストみたいなものだから、却って気持ちが良い。そんな雲を何度か見送りながら、午後が過ぎた。

東京に近づくにつれて、空は雲が増し、やがて一面に厚く濃い灰色になった。車窓には雨滴が流れるようになる。列車を降りると肌寒く陰鬱で、人々は足早に駅の通路を往き来する。

さながら北ドイツのような風合いのうすら寒い空気に、思わず身震いし、暖かだったみちのくに想いを馳せる。

頭のなかで梅雨全線が東にゆっくりと移動しながら、それは関東に差し掛かるところで、少し南に弧を描くように下がっていく、その線の先にいるのだなということを感じる。

神奈川に着けば夕闇になりつつあり、哀しみのような侘しさのようなものがそこに漂っていた。
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by k_hankichi | 2014-06-28 18:45 | 街角・風物 | Trackback | Comments(0)
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