苦手ながらビジネス書を時折読み、無味乾燥ななかから少しだけエッセンスをとりだし、しばし納得している。
いま読んでいる本は、そんななか、無味乾燥さとは、ずいぶんかけ離れた、自分のことを客観視できている書き手で、だから信じてみたい気持ちになった。
たとえば次。
「要するに、無意味と嘘の間に位置するのが論理なのです。経営や戦略を相手にしている以上、法則定立は不可能です。しかし、それでも論理はある、「論理化」は可能だという主張です。ストーリーとしての競争戦略も「法則はないけれども、論理はある」という立場に立って、優れた戦略ストーリーの論理を明らかにすることを目的としています。」
ダメで元々、と考えているこの学者さんの開き直りは、ちょっと気持ちがいい。『ストーリーとしての競争戦略』(楠木健、東洋経済新聞社)のことである。