ブログ知人のNumabeさんとのやりとりから、セルジュ・ボド指揮、リヨン管弦楽団を日比谷公会堂に聴きにいったことを思い出した。学生時代のことだ。書棚の奥にプログラムがあったかもしれないと探してみたら、何と出てきた。
1979年4月24日(火)日比谷公会堂
1階I列7番(前のほうの左側だ)
曲目:プログラムB
サン=サーンス、交響曲第3番ハ短調 作品78
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
同 交響詩“海”
そして、このオーケストラの音が、頭の奥から蘇ってきた。
フランス独特の爽やかで伸びと厚みのある弦と美しい金管。日比谷公会堂のその空間は、ボドの魔法のようなタクトのもと、煌びやかさに満ち溢れていた。それは少し朧ろなざわめきのような明るさと共にある。交響詩“海”が特に凄かったように記憶しているが、とにかく、音の輝き方というものがこうも変わるか、ということに衝撃を覚えた。その後の僕は、ドビュッシーへの傾注をますます深めていった。
プログラムBは、この年の来日では、この日だけ演じられたもの。あの体験はだからとても貴重だ。僕の友人(Maru氏ともう一人のM氏)は、確かこの日の公演以外も聴いていたと記憶している。特に神奈川県民ホールでの演奏のことを誉めそやしていたような・・・。おそらく、次のものだろう。
※4.24(火)以外の関東公演
4/21(土)日比谷公会堂
曲目:プログラムA<オールラヴェルプログラム>
スペイン狂詩曲
組曲“マ・メール・ロア”
道化師の朝の歌
“ダフニスとクロエ”組曲第2番
4/23(月)神奈川県民ホール
曲目:プログラムC
フォーレ 組曲“ペレアスとメリザンド”作品80
ストラヴィンスキー 舞踏組曲“火の鳥”
ベルリオーズ 幻想交響曲 作品14
※その他公演
4/20(金):福岡、福岡市民会館、プログラムC
4/26(木):名古屋、愛知文化講堂、プログラムC
4/27(金):飯田、飯田文化会館、プログラムC
4/28(土):大阪、大阪厚生年金会館、プログラムC
永井荷風が銀行員として怠惰なるままに住み、のちに『ふらんす物語』となったリヨン。遠藤周作が戦後初の日本人カトリック留学生として暮らしたリヨン。空港の名前にサン=テグジュペリの名を冠してしまうリヨン。パリから一直線で行けてしまうリヨン。どんな材料であろうと(それが臓物であろうとも)リヨネーズと付けて料理にしてしまう美食の都リヨン。
いつかこの地を訪れ、モーリス・ラヴェル・オーディトリアムでリヨンの音をまた聴いてみたい。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/38/Orgue_Auditorium_de_Lyon_11.JPG
■モーリス・ラヴェル・オーディトリアムの建築についてのFilm(YouTube)。Part2の後半ではセルジュ・ボドがインタビューに答えている。おそらく音楽もリヨン管弦楽団だ。ああ、まさにこの音なのだ!
Part1→
http://youtu.be/JaNvj8ICS5w
Part2→
http://youtu.be/Xtkz7HQEvZc
■Lyon市の幻想的なる美しさが描かれたTimeLapse。→
http://www.youtube.com/watch?v=CD-59gzjvxk&feature=share&list=PL3AiytIVJE90F3yU_nZAksoBB6TKYG5On