読書推進セミナー・・・(凄いベタなタイトルだけれども)
東京ビックサイトで開かれている
東京国際ブックフェア(http://www.bookfair.jp/)なるものに初めて行った。本を買ったあと、「読書推進セミナー」なるものまで開かれていて思わず聴講した。
作家の平野啓一郎、田中慎弥、柴崎友香による座談会で、テーマは“人生を楽しく豊かにする読書法、教えます!”。
文学との出会いから始まり、作文の時間、文章を書くこと、小説家になりたいと思ったとき、文章はどうやれば上手くなるか、小説家が小説を読むこと、などについて一時間あまり話してくれた。
感心したこと。
“小説の勉強のため、『草枕』をノートに書き写すことをしていた。”(柴崎)
“キース・ジャレットが、「いま弾いている音を良く聴けば、おのずと次に弾くものがでてくる」、と言ったように、小説についてもそれは同じで、読むように書けるようになりたい。”(平野)
“書いているとき、書いたことをつぶやいていることが、ままあった。”(田中)
対談のあとの、会場からの質問コーナーも面白かった。
Q:作家として何を伝えたいか?
A(柴崎):自分自身それを探しながら書いている。世界の面白さというものが沢山ある。
A(田中):小説そのものを伝えたい。何か、主題というものではなくて、小説そのものを伝えたい。
A(平野):現実の世界で満たされないものを満たしたい。或いは現実の認識に変わってもらいたい。
Q:実際の純粋な人生経験や実体験は、どう小説に影響するのか?
A(田中):読まなければ書けない。影響をうけること(そうしなければ書けない)。そして実体験をしたとしても、それを別の形に変容させること。勿論、小説に生かすために実体験をするなどということではない。
A(柴崎):読むこと、書くこと、経験すること、それぞれは両輪のようなもの。今日の出会いはどういうことなんだろうとか考える。
A(平野):自分の実像や根幹になる体験がないといけない。生きて感じたものがないと表面的なものになってしまう。
読むことに飢えている真面目なる老若男女(意外に若者が多い)が集まった感じで、これを前にしたら書くほうも真剣になる。