移動手段が変更になり、ようやく確保できたフライトはチロリアン航空が運航するもの(そして今はオーストリア航空とはなっている)だった。東のほうは雨模様だということなのに、フランクフルトの空は鮮やかな青。複雑な心持ちのなか、ようやく、ザルツブルグに着いた。
夕方まで打ち合わせをこなしたあと、宿にチェックインすると、そこはモーツァルトの生家の目と鼻の先。幸運と云うしかない縁に驚く。
石畳が敷き詰められたAltstadtは、18世紀の雰囲気のままで、その闇の先に歩みを進めればもう21世紀には帰ってこられないのだろうという思いが、ただただ深まった。