ザクッと洗いざらした須賀敦子・・・『ジーノの家』(内田洋子)

ザクッと洗いざらした爽やかな須賀敦子という感じのエッセイ集に出会った。『ジーノの家』(内田洋子、文春文庫)。

“イタリア語でもない日本語でもないキヨコさんの話を聞きながら、気がついたら五時間が経過していた。その独特な散文調の語り口もあって、ただでさえ不可思議な内容にさらに輪がかかり、ビーノと私は魂を抜かれたようになってしまい…”(「イタリアで北斎に会う」より)

“振り返ると、いかにも気難しそうな男性がいて、自分は音楽家だ、という。ピアノを演奏するからよかったら聴きに来ないか、と招待を受けた。「ひどくご機嫌の悪そうな方でしてね、ご招待いただくというよりは命令された、という印象でした」…渋面の音楽家は、アルトゥーロ・ベネディッティ・ミケランジェリ本人だった。”(同上)

どの短編も、才知と機知に富んでいて飽きさせず、ときに背筋がぞくりとするような感銘をもたらす。文書力の余裕を感じる。

いつかこういうエッセイを書けるようになりたいものだとつくづく思った。

ジーノの家 (文春文庫)

内田 洋子 / 文藝春秋

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Commented by maru33340 at 2013-03-30 11:39
僕もこの本読み始めました。
春の休日の読書にふさわしい好著ですな。
Commented by k_hankichi at 2013-03-30 19:12
健康快活、そして臆することなくまっすぐな姿勢がよいです。
by k_hankichi | 2013-03-29 07:46 | | Trackback | Comments(2)

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by はんきち