体感距離というもの

東京を車で走ると、体感距離と実際の距離の違いということを、なにかつくづく感じる。

たとえば、新宿の高層ビル群から目黒区美術館までの距離。これは7.5km。甲州街道に出て山手通りのうねりと上り下りを乗り越え、中目黒の喧騒も掻い潜り、街角の様相が大きく変えながらようやっと着く。

この距離は、神奈川県中央にある海老名駅から自分の家までの距離と同じだということに気づいた。この間には、景色や感興の大きな変化はないけれど、実に心静かに到着している。

同じ距離を進む間に生活(あるいは仕事)をしている人の数(人口密度)の差は、おそらく100:1~1000:1くらいなのだろうと思うから、その数字を想像するだけで、なにか途方もないことを知ってしまったように思う。

つまり今、仕事を離れれば、自由気ままのままに日々が送られていて、せわしさという言葉とは無縁だから、東京のかの地に住む(生活の拠点にする)ということの実感がなかなか沸かない。

そうこう考えているうちに、この7.5kmという距離(車で走る距離)の大きさをさらに考えていた。

品川駅から東京駅までを走る距離も、7.5km。
通っていた高校があった九段から友達の家があった木場までが7.5km。
中学のころに通っていた学習塾があった代々木から、帰りにほっつき歩いた駿河台までが7.5km。
渋谷から西脇順三郎の深沢までが7.5km。
大学のあった三田から北の丸公園までが7.5km。

そのそれぞれに、自分の記憶が重なっていて、その体感距離と実際の距離、それが自分のいまの自宅近くの、のんびりとした距離と同じなのだと気づくとき、なにか、まったく異次元のものごとを比較している感覚に捉われた。

いや、これは実際にまったく異次元のものごとなのだ。
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Commented by saheizi-inokori at 2013-03-21 10:32
夢では果てしなく続く道を歩きつづけます。
起きてみると何分も寝ていない間の事実?です。
異次元ですね、ったく^^。
Commented by k_hankichi at 2013-03-21 20:31
saheiziさん、不思議な夢ですね。こんど聞かせてください。
Commented by saheizi-inokori at 2013-03-21 21:49
しょっちゅう見ますよ。
見ませんか。
歩いているうちに目が覚めるのですが。
by k_hankichi | 2013-03-21 00:37 | 街角・風物 | Trackback | Comments(3)

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