年度末で、去る人、来たる人の季節である。
そういう人たちを送ったり迎えたりすると歓送迎会を設けることになり、そういう場のなかで、それぞれの人と話をしていると、「実は○○さんのことをこんなふうに思っていたんですよ」、とか「私にはこんな趣味がありましてね」とかいうことになる。その度に驚く。
そんなふうに感じていたのかあ、とか、おおっ、なかなかやるなあ、とかいう感慨で、頭のなかの考えであるとか、趣味趣向というものは、見えていないからこそ面白みがあって、謎めいているからこそ、はっとさせられるのだと思う。
実はこれは、驚かせ合戦かもしれない。そう考えたとき、さて、それでは僕は、そういうふうに相手を驚かせるようなことをどれだけ与えることができるだろうか、と思案するのだ。