ドラマになる訳が分かった・・・『八重と会津落城』(星亮一)
今年のNHKの大河ドラマは綾瀬はるかを始めとして、爽やかな俳優たちが出ているから、欠かさず観ている。『八重の桜』。
しかし会津藩や白虎隊の戦いの巧拙が、どのようなものだったのかであるとか、八重の気概が何だったのかは、とんと知らなかった。
『八重と会津落城』(星亮一、PHP新書)は、そういったことを易しく紐といてくれた本だった。
武士道として筋が通った会津藩の教えを忠実に守り、凛として逞しく育った山本八重。
京都守護職の命を受けた会津藩が、どれだけ皇族に尽くしたか。尽くし過ぎて、藩の財政が赤字に転落するほどになっても、窮乏をしのぎ続けた。
そんななか、薩長の倒幕の動きに反対し、宮家を守る立場との狭間で苦悩する。
時代の流れを読み切れず、軍備や兵法といった技術や仕事のしくみの潮流にも乗れず、しかし、ひたすらに自分たちの信念を貫こうとする。
守ることと変革すること。いずれをどのように貫くか。現代に生きる我々にも教訓になるところが多かった。
テレビドラマのほうも、ますます見逃せないなあ。