女優の底力というものは、ある一瞬に向けて凝縮されているのではないかと思う時がある。小津安二郎の映画であれば、『晩春』での能を観劇しているときの原節子の形相であり、『東京物語』の「わたくしずるいんです」と話すシーンである。
さて、このあいだ記して、それから間もないので、あまりテレビドラマのことに触れるのも何かとはおもうが、やはり、その凝縮ということばが意味を成すシーンが、『最高の離婚』(フジテレビ、木曜夜10時)のなかにあった。第5話の後半で真木よう子が見せる姿は、彼女の最高の凝縮点のひとつで、その映像が部分だけれどもアップされたので、記憶にとどめたい。ドラマ自体はおちゃらけたところがあり、話の濃淡にもムラがある珍しい調子のものなのだけれど、この5:08~6:43に、一転してのシーンがある。
■【公式】木曜劇場「最高の離婚」前半ダイジェスト(3)
→この5:08~6:43。