音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

東海道線の憧憬

東京で仕事をした帰りである。今日は寄り道をしていくから、東海道線に揺られている。

電車は、普通電車「熱海行き」だ。

途中で降りるのだけれど、その車に乗っていればやがて熱海に着くのだ。小田原や平塚を越えて熱海に着くのだ。

なんと和らかな気持ち。なんと落ち着く気持ち。湯けむりがあちこちから立ち込める鄙びたアーケードを歩く姿が瞼のうらに浮かぶ。浴衣に丹前を羽織り、白熱電球のしたに的当てに興じ、バアの女から声かけられる。

昼間の喧騒や苛立ち、葛藤は、終着点に思いを馳せることで、何故か静かに治まってゆく。

ああいつか、この車に乗ってそこまでいこう。そしていつまでも、湯けむりのなかに身を預け、時の過ぎることを忘れよう。

漆黒の闇のなか、僕の心の東海道線はいつまでも疾走を続けてゆく。
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by k_hankichi | 2013-02-08 18:46 | 街角・風物 | Trackback | Comments(3)
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Commented by maru33340 at 2013-02-09 08:26
笠さんのように
ぼんやり海眺め
つぶやきたいよ
すっかり陽が長うなりましたわい
(字余り)
Commented by Je at 2013-02-09 11:34 x
何がお有りになりましたのか・・・、ロマン溢れる文章。
お気をつけて・・・。
Commented by k_hankichi at 2013-02-09 12:54
笠さんは ちょっとさみしく つぶやくさ
「いやァ こんなとこァ 若いもんの来るところじゃ」

Jeさん、「ええ人じゃのう あんたァ……」 (東山千栄子演じる、とみ)