昨晩は、会社の同期友人たちと集まって新年会。昔話に花が咲く。
なかの一人は、相変わらずアマチュアオーケストラに所属していてコントラバスを弾いている。いろいろなところから声がかかり、四つ五つ所属しているらしい。年間10回はコンサートをこなしているそうだから、それだけで家のほうは疎かになるという、僕からみれば何とも羨ましい悩みを語った。
それだけならば良いのだが、彼はさらにもうひとつ話をした。昨年、変な客演指揮者が来て、皆がぶったまげたということについて。
ふつう、初めてお目見えした指揮者は、丁寧に曲の始めから、お復習いをしていくそうだが、彼は違っていていきなり「第四楽章の始めからやるよ」と開口一番言ったそうだ。オケの一部メンバーは、それだけでも何だか騒いでいたが、僕の友人は、その指揮者のことを知らず、「何だこいつ」と思った。
マーラーの交響曲第五番をやることにしていたときのことで、だからそれはもちろん例のアダージョであって。
彼曰く、「そいつはダニエル・ハーティングというやつなんだけど、知ってるか?」