やっぱりサスペンスは、苦手だ・・・『墜ちる』(林由美子)
昨晩の飲み会で、友人から「こわいぞ」と預けられた小説を、東京に向かう電車のなかで一気に読んだ。『墜ちる』(林由美子、宝島社文庫)。
淋しさとストレスを抱えた夫。家庭の倦怠に飽いた妻。父母の冷めた関係に敏感に反応する小学生の娘。
夫は犯罪まがいの行為に走り、妻はそれに感づき、子供のため、と言い訳しながらショッピングに走る。金が無くなり悪徳商法に走りさらに身を持ち崩す。
夫を庇ったつもりで重大な犯罪をおかし、しかし逃れられなくなった妻は・・・。
もう、おっかなくて仕方がない。そして自分の周りを悪の誘惑がぐるぐる回る。邪な心が芽生えてきそうだ。
この作家は『化粧坂』という作品で第三回日本ラブストーリー大賞審査員特別賞を得たという。読みたいのは、そういう切り口のものだなあ。
やっぱりサスペンスは苦手だ。