私の耳は 貝の殻 海の響きを懐かしむ

こんな詩があった。

『貝殻の耳』

私の耳は 貝の殻 
海の響を懐かしむ    

(ジャン・コクトー、堀口大学訳)

それに似た感覚に覆われる雰囲気の飲み屋があり、その街に行くと、知らぬうちに立ち寄ってしまう。

そこにいると時が経るのを忘れ、自分がいつしか、いまの現実に息づいているのではなくて、少し過去の、あるいは、もうすでに遠い過去の時と場所に、その身を置いているような錯覚にさえおちいる。

むかし人からもらった巻き貝の貝がらのことをも思い出し、しかしそれはどうしてか自分の手元から無くなっていて(あるいは見失っていて)、そのことに気付くと、僕はまた、むしょうに侘しい気持ちに捉われてしまった。

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by k_hankichi | 2012-07-24 00:20 | | Trackback | Comments(0)

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