今宵は、ずいぶんと昔に世話になった人の、年齢の節目の祝いの会だった。とるものとりあえず馳せ参じ、旧き知人同僚たちとも酒を酌み交わした。
二次会はスナックパブで、ぼくはなぜかいつものようにいつもの歌をリクエストして陶酔する。
“さよならは 別れの ことばぢゃなくて ふたたび あうまでの とおいやくそく♪”
確かにそうかもしれない。
しかしぼくもこんなに歳を経た。何時間でも、何日でも、何月でも、もう時間が惜しい、とても大切だというきもちでいっぱいだ。
世話になった気持ち、感謝の気持ち、そして楽しき時間の記憶にあふれているのに、帰路の僕のなかには、さみしい感情がおおきくなっていく。なぜかな。どうしてかな。