確か中学生の頃にこの映画を観たよなあ、友人のF君が好きだといっていたよなあ、と思いながら、宝島社の三巻パックに思わず買い求め観てしまった。
『シャレード』(1963年)。オードリー・ヘップバーン、ケーリー・グラント主演、スタンリー・ドーネン監督だ(この監督名の押し出しは強い、こんな内容スタイリーでドーネン、と言ってるよう)。
さて映画について。最初のスイスのスキー場シーン以外はまるっきり筋書は忘れていた。はちゃめちゃなるサスペンスコメディで、どうやって悪者がダイル氏に殺されていくのか最後まで全くもってわからない。
しかしそれで良いのかもしれない。ヘップバーンの華麗さ美しさは満載で、こちとらは自然と笑みがこぼれる。僕もケイリー・グラントになれるかしらんと要らぬ妄想が湧くが首を左右に振り払う。
あらすじさえ憶えていなかった自分に、ちょっと落ち込んだりしたものの、いや、いつも新たな気持ちで臨めていいじゃないかと自分をなぐさめる。