明治神宮にある
加藤清正の井戸に出かけてきた。なにやら、パワースポットとして有名だそうで、携帯の待ちうけにしておくと願い事が叶うらしい。
久々の神宮は、パワースポットならぬ、外国人観光客のホットスポットと化していた。4割方は外国人だ。願い事のお札に、英語やら、韓国語やら、中国語、ドイツ語、アラビア語で書かれたものも、たくさん混ざっている。ずいぶんと変わったものだ。
これにちょっと面喰ったこともあり、参拝もそこそに、その井戸に向かう。入場整理券が配られており、一時間当たりに入場する人数を一定にたもち、ゆったりと見学できるように配慮されている。少し待ったのち、緑道をくだった。
驚いた。そこは、まさに、森林だった。神宮の森、ということを、ずっと以前から、外苑のことだと思ってきたが、その誤りにようやっと気がついた。江戸が切り開かれる前の、森林がそのまま残っているようなのだ。都会の喧騒が、そこには全くない。森の合間の谷に、菖蒲園も造成されており、ハイキングに来たような気分だ。
そのどん詰まりに、清正の井戸があった。不思議な空間だった。ゆるやかに水が湧いていた。水には触ってはならぬ、と警備の人が、控えめに進行整理をしているのも、神社ならではだろう。谷間には、江戸の風が緩やかになびいていた。
帰りは、四ツ谷に寄り道をし、中学生時代、時折、買い食いに来ていた、たい焼き屋を探した。35年は経ているとおもうが、横町の路地に、まだ在った。場所は路地を隔てて反対側に移ったような感じだが、ほぼ同じ場所だ。味は昔とおなじだったかは、よくわからない。しかし、目の玉が落ちるくらいに、美味かった。ほどよい小豆の味付けが、とびきりに上品であり、こういうものは、A級グルメと称してよい。(行くときに店の名前を忘れていたが、
「わかば」だった。新宿区若葉町にあるからだろう。
ぼくにとってのパワースポットは、こちらに軍配があがったかな。
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