たおやかで優しい『展覧会の絵』〜リーリャ・ジルベルシュテイン
おっかなくて怖い『展覧会の絵』を聴いたり、そういうものに巡り合った友の話に触れたりしていると、だんだん、腕に力が入ってくる。ふと、どうしたことか、サイババのことが頭に浮かんできたりもする。
そんなとき、いともたおやかで、優しい『展覧会の絵』に出会った。
リーリャ・ジルベルシュテイン。この人のことは、初めて知ったけども、聴きこんでいくうちに、淡泊で、さらさらとしている感覚が、気に入ってきた。厳しさというより、優しさ。油絵というより、パステル画のような演奏が、心地好くなってきた。
剛腕として知られているらしいが、激情には決して駆られることがない。なだらかな叙情が交差するのだ。なんだか、フランス近代音楽のような感じもする。
このCDには、ロシアのタニエフの「前奏曲とフーガ」も入っている。この曲も良い。
リーリャ・・・。なんだかツルゲーネフの小説にでも出てきそうな名前だ。でも、癒される弾き手。ときおり来日しているらしい。聴いてみたいなあ。