雨上がりの「雨の歌」・・・音、まとわりつき、とろける。オーラ、悩ましげ、痺れる。
昨晩からの雨が上がった。そのさなかから、そして今朝も、アンネ・ゾフィー・ムターさんによる、「雨の歌」を聴き続けている。
ブラームスのバイオリンソナタ集。先週、上梓されたばかりの盤。
CDのジャケットからして、気合いが入っている。ダンテ・ガブリエル・ロセッティの絵を彷彿させる幻想的な横顔。
そして、その印象は、そのまま演奏からも伝わってくる。
ムターさんの心のなかに入り込む。幻想のなかにいる。甘美かと思えば、それだけではなく、凛々しさと、精神の高みがある。第一カッコよい。
蜂蜜のようでもあり、幾重にも仕込まれたフォンドボーでもある。かすれるように弾く旋律は、ムターさんの、吐息、ため息のようでもある。
音がまとわりつき、とろけゆく。
ドイツ・グラモフォンのホームページも必見である。ムターさんと伴奏者のランベルト・オルキスさんによる語り合いを観ることが出来るが、オルキスさん、完全に悩殺されている。やばし。
おそるべし哉、ムターさん。
オーラ、悩ましげ、痺れる。
ドイツ語の語り版は、こちらです。
http://www.anne-sophie-mutter.de/md_index.php