直木賞を、白石一文さんの「ほかならぬ人へ」が受賞した(このほかに佐々木譲さんの「廃墟に乞う」も受賞)。とてもめでたい。白石さんは、僕の友が、むかし、「一瞬の光」のすばらしさを、手紙で伝えてくれて以来、ずっとずっと、かならず読み続けていた。だから、とても嬉しい。(
受賞作についての読後メモは12/12の本ブログ参照。)
白石さんは、作品ごとに気合のいれようは異なり、また、時として、心がぶれてしまっていたり、かなり挑戦的な作品をしたためたり、そういった、様子がなんだかとてもよく分かっていた。作家としての躊躇いとチャレンジの連続が、一人の男としても共感できる。相克と葛藤、そして長い悩みを経ての昇華という流れの連続なのだろう。そういうことにも、僕の心は共鳴するのだ。
白石さん、父親の白石一郎さんがまず直木賞を受賞されていて、親子二代の受賞という初めてのこととのこと。そしてまた、彼は双子で弟さんの文郎さんも作家というものすごい家系。一文さんは早稲田大学政治経済学部卒、文郎さんは、慶應義塾大学経済学部卒だという。なんだか、そういうことだけでも、ドラマチックだ。
http://www.bunshun.co.jp/award/naoki/index.htm